環境活動レポート
【Field Assistant Network】活動紹介(2015/1/20)
記者 : 泉
取材にご協力いただいたみなさん :
東京農業大学 4年 山田さん
日本大学 2年 寺越さん
東京農業大学卒 OB 島谷さん
■はじめに
今回ご紹介するのは、Field Assistant Network(以下F.A.Network)という学生団体です。
先日のエコ・プロダクツにて、大学の枠を超えて全国から集まった大学生で活動をしていると聞き、なにやらおもしろい話が聞けそう!と、早速取材に伺ってきました。
F.A.Networkは、学生が主体となって、自然保護という共通認識のもと、ワークキャンプなどのプロジェクトを企画・運営し活動している団体です。
取材が決定したものの、「自然保護」「ワークキャンプ」と聞いても、正直ピンとこない、、、。
そんな私でしたが、取材の最後には、私にもできるかも!おもしろそう!行ってみたい!と思えるような、興味深いお話を聞くことができました。
-----------------------------------------------------------------------------------------------
■どんな活動?
●ワークキャンプって何?
F.A.Networkの最も代表的な活動は、年に数回行うワークキャンプです。
ワークキャンプとは、作業を通して地域での自然保護活動に貢献することを目的とした、ボランティア合宿です。毎回全国から参加者を募集し、F.A.Networkの事務局員が中心となって企画から運営までを行っています。
現在は、北海道の根室、キシナベツ、鶴居などで1週間ほど合宿を行っています。そこで現地の方々と一緒に様々な調査や作業を行い、自然保護の最前線を体験します。
根室のワークキャンプでは、「シマフクロウの森を育てようプロジェクト」と題して、池作りやネズミの隠れ家作り、道路補修、展示パネルの作成などを行いました。
その他にも、地元の方の案内のもと現地の様子を知る野外セミナーや勉強会、懇親会などが行われます。懇親会は、地元の方と親睦を深めるとともに、自然保護活動の現状や現地の方々の思いなど、生の声を伺うことができる貴重な機会です。
活動を通して様々な経験をする中で、自己の成長を感じられることが大きなやりがいだそうです。
●ワークキャンプでたのしく成長
特にワークキャンプでの経験は、成長できる大きなチャンス!
「活動をしていて一番楽しいことは?」という質問に、皆さん口を揃えて「ワークキャンプ!」との答えが返ってきました。
ワークキャンプでは、毎回交代で仕切り役「チーフ」を決めます。チーフを務めると、もちろん大変ですが、その大変さを経験することで大きく成長できるのだそうです。
2年生の寺越さんは、先日初めてチーフを務めたそうですが、思うような動きができず、大きな悔しさと反省が残ってしまったとのこと。
「これからの活動の中でやりたいことは?」と聞いてみたところ、「チーフをもう一度やりたい!」と元気な答えが返ってきました。
「関わった人みんなが楽しめて、また参加したい!と思ってもらえるような企画」、きっと実現できるよう、是非リベンジ、がんばってください!
●多くの出会いと経験の場
この活動がなければ関わることのないような人々や経験との出会いが得られるのも、F.A.Networkの大きな魅力の一つです。プロジェクトを通して、全国の大学生たちとの新たな出会い、そしてその先に続くつながりが持てること、さらにOBの先輩方やプロジェクト・イベントで出会う現地の方々など、学生だけでなく社会人と関わる機会も多く、世界が広がります。
ワークキャンプのほか、運営にも携わっている「学生バードソン(※)」というイベントでは、毎年約100万円もの募金を集め、様々な自然保護団体に寄付をしているそうです。
(※学生バードソンとは…バードウオッチングと募金活動を合わせた自然保護チャリティイベントです。)
OBの方を招いたセミナーの開催など学びの場も設けており、今だけの活動で終わるのではなく、未来にもつながっていくような取り組みをしていきたいとのことでした。
■そして今回一番聞いてみたかったこと、「そもそも、なぜこの団体に入ったのですか?」
4年生の山田さんは、もともと鳥が好きだという理由で入った大学内の「野鳥の会」で会長を務めていました。その活動の一環で学生バードソンに参加した際に、F.A.Networkの存在を知り、自分と同じ大学生が、企画を運営し、社会人とも対等に渡り合う姿を見て、なんてすごいことをしているんだ!と衝撃を受けたそうです。
「こんなふうに自分も運営などを担えるようになりたい!ここでもっと自分を成長させたい!」と強く思い、F.A.Networkの活動に参加するようになりました。
2年生の寺越さんは、大学入学後、なんでもいいから何かをやりたいと思っていたところにたまたまF.A.Networkを知り、なんとなくワークキャンプに参加。そこでの初めての経験の中で、得るものの多さに大きな刺激を受け、徐々にF.A.Networkに関わるように。
そんなあるとき、参加者として他団体が主催するワークキャンプに参加したところ、その運営能力の高さに衝撃を受けたそうです。自分もこんなふうになりたい!と思い、今に至ります。
話を聞いてみると、活動を始めた一番のきっかけは「自然保護に対する興味」ではなく、彼女たちのように「運営能力を身に付けたい」「人とのつながりを増やしたい」など、自己成長の場としてこの活動を選びチャレンジする人が多いことに、とても驚きました。
そして、活動を進める中で、自己の成長や人とのつながりなど、当初の目標を確実に実現している姿から、充実した日々を過ごされている様子が伝わってきました。
■最後に、「この記事をご覧頂いている方に伝えたいことは?」
多くの学生さんに、「まずは気軽にワークキャンプに参加してもらいたい!!」
自然保護に興味がない人でも、「北海道の大地で自然を感じたい!」など、旅行気分での参加で大歓迎だそうです。
現在のメンバーも、みんな初めは「なんとなく」からのスタート。それでも参加するうちに、自然保護について興味を持ち、自ずと問題意識を持ち、少しずつ知識を増やし、様々な活動を通して出会う多くの人々と協力しながら行動に移していく。
そして、必ず成長できる。そんな団体です。
暇を持て余している人や、学生のうちに何かやってみたい!人脈を広げたい!という皆さん、是非一度ワークキャンプに参加してみてはいかがでしょうか?今しかできない、貴重な経験がきっと待っていますよ!
------------------------------------------------------------------------------------------
■取材を終えて
今回お話を伺った皆さんは、決して「環境おたく」なわけではなく、「なんでもいいから何かやってみたかった」などの小さなきっかけで活動を始めた人ばかり。「ごく普通の大学生たち」だと知ることができ、一気に身近な存在に感じることができました。
初めてワークキャンプに参加したときの感想は、全員が「とにかく楽しかった!」。
きっと感情的な「楽しい」だけでなく、多くの出会いや失敗を経験する中で自分の成長を実感することができ、それも含めて心から「楽しい!」と感じられているのではないでしょうか。
貪欲に自己の成長を目指す姿や、真剣に、そして何より楽しんで活動を行っている学生さんたちの姿を見て、とても清々しい気持ちになり、同じようにサークル活動に明け暮れた自分の学生時代とも重ね合わせ、とてもうれしくなりました。
彼らのように、貴重な学生生活を、多くの仲間と一緒に何かに本気で取り組む学生さんが、もっともっと増えるといいなと思います。
今回快く取材を引き受けてくださった山田さん、寺越さん、島谷さん、本当にありがとうございました!
------------------------------------------------------------------------------------------
↓ 詳しい活動内容はこちら ↓
Field Assistant Network HP
http://www.fa-net.org
ワークキャンプ活動紹介
http://www.fa-net.org/wc/workcamp.html
ワークキャンプ2015春参加受付
http://www.fa-net.org/wc/workcampinfo43.html
フォトギャラリー