【獨協大学】環境・国際団体Deco/サルベージ(2013/12/25) 環境活動レポート

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環境活動レポート

【獨協大学】環境・国際団体Deco/サルベージ(2013/12/25)

引き上げの様子 記者:須田

今回は、獨協大学の環境・国際団体Decoの活動の一つ「サルベージ」を取材してきました。

このサルベージは、草加市にあるFSCサルベージ協会と協力してDecoが10年以上前から取り組んでいる活動です。最近では毎年4、5回行っており、Decoの大きな活動の一つとなっています。
具体的な活動内容は、川に不法投棄された自転車・バイクや粗大ごみなどを、ロープとフックを使って人力で引き上げ、河川を綺麗にすることです。
前回の取材で、副代表の根本崇史君が、「この活動は河川をきれいにできる上に、近隣の住民の方からありがとうと声をかけていただける、非常にやりがいのあるものです」とお話してくれたのが印象に残っています。

サルベージ本番の前に、打ち合わせをするということで、私も参加させていただきました。
打ち合わせはFSCサルベージ協会会長七里順量さんのご自宅で行われ、七里さんと協会会員山口文良さん、そしてDecoの根本君の3人で行われます。
主に活動当日の流れや開・閉会式プログラムの確認、参加者への注意事項の確認など様々な確認を行いました。
この日の打ち合わせは2時間ほどで終わりましたが、活動の準備は昨年から行っております。
11月くらいから打ち合わせを重ねており、年が明ける前に翌年のスケジュールをたて、各自治体に翌年の活動案内を挨拶に向かいます。活動予定日が近づいてきたら、それぞれの事業体・部署と打ち合わせを行い、どういう呼びかけにするのか、誰が参加するのかを確認して保険をかけます。

今回の参加者は、サルベージが行われる川口市の中学・高校生です。
川口市市民パートナーステーションの事業「川口市内中高生、夏のボランティアスクール活動」に参加した学生です。
70もあるボランティア団体の中から、サルベージ活動を選択してくるのだそうです。
活動当日は中高生のお話も聞いてみましょう。

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ボランティア活動当日。
天気も快晴と恵まれました。恵まれすぎて熱中症で倒れてしまわないか心配になるほどです。
今回は川口市の芝川にかかる東(あずま)橋で行います。
準備をするというので見ていると、東橋の柵や両端に「自転車引き上げ中」という旗をくくりつけています。
こうすることで、サルベージの広報と、「川に自転車が不法投棄されている」という周知効果が得られるのだそうです。
川をきれいにするだけではなく、活動を広報することで、地域住民には自転車やバイクが投棄されていることを知ってもらうという2次的効果があるようです。

その後、ボランティアの参加者が集まり、開会式開始。

開会式では、サルベージ協会の方々とDecoの学生が、ボランティアの意義やサルベージの活動目的、作業する上での注意事項を説明します。
式の最後には「えいえいおー!」の掛け声、そしていよいよ作業スタート。

作業は橋の下の川岸で行います。
中高生を含め、5~7人で1組になり、ロープのついたフックを川に投げ入れ、Decoの学生が参加者のサポートをしながら引き上げ作業を行っています。ほとんどのDecoの学生が経験者ということもあり、参加者にコツや注意点などを教えながら良く参加者の面倒をみていました。
その様子を傍から見ていると、漁をしているようでとても面白そうです。

作業を始めてすぐに1個目があがりました。
最初のゴミはスクーター。

最初は1本のロープを6人くらいで引っ張っていましたが、重くてあがらず、1人、また1人と増えて、ロープも1本追加されて橋の上から引き上げる部隊もできました。
最終的には10人以上でやっと引き上げました。

良く見てみるとそのスクーターからは、燃料が漏れ出しています。
川の水の表面に、ぎらぎらした燃料が漂っているのは、非常にショックな光景です。

その後引き上げは3時間続き、閉会式。
最終的には自転車5台、スクーター4台、衣装ケース1個、ベッド1台、毛布1枚その他もろもろ引き上げました。
そして、人数が多いと思っていたら、中高生・Deco・協会の方々合わせて5名も活動していたそうです。また、参加した中高生は、「自分たちの地元の川にはこんなにゴミが捨てられている現状をはじめて知ったので今後こういうボランティア活動に積極的に参加していきたい」と感想を話していました。

閉会式後、参加した中高生何人かに感想を聞いてみました。
「最初は濡れそうだな、汚れそうだなとマイナスな印象が多かったのですが、このボランティアは他のボランティアに比べて楽しみながら活動ができました。」
「この川にこんなにゴミがあるなんてショックでした。これから参加する機会があったら、ボランティアに積極的に参加していこうと思います。」
「このサルベージには今回が初めてではないです。昨年も参加して川がきれいになったという実感が持てたのと、ゴミをみんなで引き上げるのが面白かったので、今回も参加しました。」
どの子にもサルベージ前に総じて言っていたのは、「汚れそう」とか「大変そう」でした。
しかし活動後に話を聞いてみると、上に書いたようにサルベージへの、今後のボランティア活動へのポジティブな感想でした。

以前話をしたことのあったDecoの1年生にもお話を聞いてみました。

*:
前にこういう環境活動をDecoでしたくて入部したとのことでしたが、実際に活動してみてどうでしたか。

1年生:
やはりこういう外での活動のほうが好きです。きれいになったのも実感できますから。
それと、今後はもうちょっと設備を整えていきたいです。
いまはフックのついたロープしかないので、引き上げたところから引き寄せる銛のような道具がほしいです。
また、現在は埼玉の一部地域しか活動していないのですが、もっと広範囲で活動していきたいです。

七里さんにDecoと活動するようになったきっかけを聞きました。

七里さん:
きっかけは2002年、県の「再生の集い」という活動・実績報告発表の場でサルベージの発表をしたら、発表後、楽屋に「僕たちも参加させてください」と、Deco2代目代表の山口あつお君が声をかけてきて、それからずっと一緒に活動しているそうです。

また、Decoのことで印象深いことをおっしゃっていました。

「草加市役所ではDecoは学生の中でも非常に意識の高い子たちがいると思っています。市民が参加してこない活動に市外の学生たちが参加してくる。今回の活動にいたっては、自分たちの大学がある街でもないのに、川ということで見ている。川は海につながり、地球につながる。捨てるというのは人間の心に関与している。人間の心に県境はありません。つまり、私の地域、私の地球というそういう感覚がないと、離れた地域に活動にいくことは難しいのです。Decoさんの意識は学内に留まっておらず、地球に広がっているのです。そこに『国際』という単語が団体名の中に入っている違いを感じます。」

今回の活動は、川口という地域で川からゴミが減っただけではなく、七里さんの言う「広い意識」を近隣に住んでいる中高生や大人に少しでも広める機会になれたのではないかと思います。そして七里さんが難しいとおっしゃっていた「自分と関係性の離れた地域へのボランティア活動」に、自ら取り組んでいくDecoの活動を今後も取材していきたいと思います。また、サルベージの活動は今後も継続していく予定だそうで、是非私自身も活動に参加したいです。

フォトギャラリー

打ち合わせ

打ち合わせ

「自転車引き上げ中」の旗

「自転車引き上げ中」の旗

活動開始

活動開始

引き上げの様子

引き上げの様子

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