環境活動レポート
【東京大学】環境三四郎の活動(2013/05/31)
記者:高橋
今回の取材は代表の村西さんからGREEN WORKS宛に取材のご連絡をいただいて実現しました。
GREEN WORKS始まって以来の依頼型取材ということで、はりきってお届けします。
環境三四郎さんは大きく駒場部門、本郷部門、社会人部門の三つに分かれているそうで、卒業生の方々との交流が盛んだそうです。
取材させていただいた村西さん、丹野さん、岩瀬さんは駒場部門の現在2年生で、取材では普段活動している部室にてお話を伺いました。
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・普段の活動内容を教えてください。
村西さん
環境三四郎はプロジェクト制をとっていて、部員はいくつかある活動の中で自分が興味のあるものを選んで参加しています。
丹野さん
各曜日につき1プロジェクトがミーティングを行っていて、月曜日は一次産業周辺の環境問題を扱うプロジェクトをやっていて、エコツアーや農業体験を通し、知識や興味を持ってもらおうとしています。環境に興味があるかないかくらいの人を対象にしたかったので、高校生を対象としてイベントを企画しています。
火曜日は環境の世紀プロジェクトといって、全学年対象の自由な形式の科目が駒場キャンパスで開かれるんですが、その内の環境の世紀という講義を作っていくプロジェクトです。
東大で環境の授業を作るということで、自分たちでテーマを決めたり、講師としてどのような方をお呼びするかだったり、また体験学習の内容を組んでいったりしています。
具体的には、昨年度のテーマは「エネルギー」でした。
今年は「エネルギーと開発」というテーマで講義を開講しようとしていて、自然エネルギー系のところへ訪問し実際に見学しようと計画中です。
水曜日は学園祭でのゴミの分別やエコイベントを開催したりするエコプロジェクトという企画です。「地球と未来の環境基金」の美濃部さんから紹介していただいたある企業さんにご協力いただき、学園祭で使われる容器を、土にかえるたい肥になる容器を提供していただいて、その容器をたい肥化した土を使って野菜を育てて、その野菜を学園祭で売るという循環システムを作っています。
あとは、学園祭当日のゴミ箱の配置を考えたり等も行っています。
木曜日は小学校での「水プロジェクト活動」という活動をしています。
目黒区の小学校はリオデジャネイロで開催された地球環境サミットがあって以来環境ブームがおきて、その際学校ビオトープが乱立していきました。でも導入に関わった当時の先生方が退職等でいなくなってしまい、放置されるようになっていました。
その学校ビオトープを使って、代わりに小学生に「生態系はこうなっているんだよ」等環境教育をしています。
岩瀬さん
金曜日は目黒区プロジェクトといいまして、地域単位で考えたときどういった環境に対する取り組みができるのか考える企画です。
駒場キャンパスは目黒区に位置しているので、目黒区の環境団体や区民団体と一緒に、区民の方々が自然と触れ合えたり、エコに対する意識を高められるかを考えています。
--具体的にはどんな活動をしているんですか?
去年は親子連れを対象とした自然に触れ合うイベントを催しました。今は6月にある目黒区主催の環境月間でパネル展示の出展を行う予定です。他にもやってみたいイベントを企画中というところです。
--各企画はだいたい何人くらいで活動しているんですか?
村西さん
1・2年生で構成されているんですが、1グループ8人ずつくらいで活動しています。だいたいこの部室の大きさにあった人数ですね(1部屋を棚で分けた、こじんまりとした部屋でした)。水曜日は三四郎だけの活動ではないので、学園祭実行委員会の何人かとも打ち合わせをすることがあります。
・環境三四郎の歴史について
丹野さん
環境三四郎は1992年から20年くらい続いている団体で、特徴としてOB/OGさんとの繋がりが強く、卒業しても団体に残るという意思のある先輩方が入っているメーリングリストがあったりします。
村西さん
各週のプロジェクトとは別に、学年問わず学生とOB/OGさんたちが活動している割り箸プロジェクトというものもあります。
他にも本郷キャンパスのほうで活動しているものなど、いろいろな企画があります。
丹野さん
OB/OGさんとのつながりが強い理由は、そもそもこの団体自体が特定の活動をしようと立ち上がったというわけではなく、将来自分が社会に出て力を持ったときに何かできるように、今勉強しておこうだとか、つながりを作っておこうということでできた経緯にあるんだと思います。
村西さん
個人的な印象ですが、さまざまな企業や団体に所属している社会人の方々とゆるく繋がりを持つことで、何かいい働きが生まれるんじゃないかと感じています。
岩瀬さん
OBの方々は意識高く活動されてきており、職場の話や学生時代でのアドバイスなど貴重な意見をいただけて、学生の自分としてはとても有意義です。
--進路の相談もできますね。
村西さん
はい。進路相談会や昔は就職相談会もやっていて、また卒業論文を書いた先輩の団体内での卒論発表会などもやっています。
岩瀬さん
今年も6月に開かれる予定です。
・OBさんたちとのプロジェクト「割り箸プロジェクト」について
岩瀬さん
これは僕も参加しているプロジェクトなんですが、宮崎県の企業が間伐材を使って国産割り箸の復権をしようということで、そのための環境負荷調査の依頼がきたんです。
OB/OGの方が中心となって、今その調査をしています。
--OB/OGさんたちはどういった方面に就職されているんですか。
村西さん
省庁や銀行、金融系の環境に関するリサーチに携わっている方がいらっしゃいます。
岩瀬さん
あとは教授になられた方もいらっしゃいます。割り箸プロジェクトで環境負荷計算について教えていただきました。
村西さん
あとは女性の方で結婚されて農場を営んでいる方もいらっしゃいます。
・皆さんが環境三四郎に入ろうと思ったきっかけは何ですか?
丹野さん
もともと農業系に興味があったのですが、農業の持続可能性の問題などに興味を持っていました。
サークルに入ろうと思ったときに、運動系は高校のときでもできるので、大学生っぽいことで、自分の興味のある活動にしようと思い、入部しました。
岩瀬さん
環境問題について興味があったのですが、運動系や文科系サークルを転々としていたときに、このサークルに出会いました。それから水があったのか、頑張って活動を続けています。
村西さん
私も高3のときに、ある写真集がきっかけで環境に興味をもつようになりまして、大学生になったら環境系の団体へ入ろうと思っていたので入部しました。
メンバーの中にはもともと環境問題には興味がなく、自然や動物が好きで入ったという人もいます。
--ちなみに写真集ってどんな内容だったんですか?
村西さん
think the earthプロジェクトというところが出している「百年の愚行」というものなんですが、20世紀の100年間に人間がした愚行をつらつらと、動物実験だったり砂漠化や海洋汚染の写真が載っている結構激しめの写真集です。
--今考えている将来について教えてください。
丹野さん
将来環境系にグッといきたいわけではなく、食品系の研究がしたいと思っています。
その際に学んだ知識、意識を通して環境に配慮したいです。
岩瀬さん
私はこの地域であるとか、一人一人どう活動していけば環境問題の解決に繋がるのかに興味をもっています。なので将来は行政に関わる役所かコンサルタント的な仕事について地域コミュニティに関われたらいいなと考えています。
村西さん
私は今かなり悩んでいるところなんですが、岩瀬くんと一緒でローカルな部分に興味があるので、行政や小さい単位から関われる企業だとか、今アルバイトをしているNGO団体だとかと迷っています。インターン先は日本自然保護協会というとことです。
・今後環境三四郎でやっていきたいことはありますか。
丹野さん
今やっている月曜日のプロジェクトは去年の10月に作った新しいプロジェクトで、いろいろやれたらいいと思っています。
村西さん
各プロジェクトは2~3年続いているものもあれば20周年になるものもあって、今後は今年入ってきた一年生が新しい企画を立てたりいろいろやってくれると思います。
今年三四郎は20周年なので、よりOB/OGの方と積極的に交流したり、企画を立ち上げたりとそういった機会になるんじゃないかなと思います。
・最後にPRがあればお願いします。
今自分たちが1・2年生で活動していて、10月か11月くらいに引退になります。
私は引退したあともずっと環境三四郎に関わっていきたいというのがあって、そうやって関わっていくことが環境問題を長期的に解決していく一つの方法なのかなと思っています。
なので、今の一年生やこれから入ってくるような後輩には、環境三四郎を続けていってほしいというのがありますし、自分達が社会に出ても忙しくなると思いますが、ゆるゆる何か活動をしていけたらいいなと思っています。
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最後に、部室の前で写真を取らせていただきました。
この日お話してくださった村西さん、丹野さん、岩瀬さんは3人とも2年生だそうです。
3・4年生は本郷キャンパスの本郷部門で活動しているとのことでした。
村西さん、丹野さん、岩瀬さん、ご協力ありがとうございました!!