環境活動レポート
【城西大学】現代政策学部 石井ゼミ ~プロジェクト酒~(2013/03/12)
記者:齋藤
今回は昨年のエコプロでお話を伺った、城西大学現代政策学部の石井ゼミの皆さんに取材をしてきました!
部屋に入ってみると、なんと中にはチームでおそろいのハッピをきた学生さんたちが!!
早速楽しい取材になりそうな予感が…♪
城西大学の現代政策学部では、社会の課題を解決する能力を高めることを目指しているそうです。その1つに休耕地活用プロジェクトがあり、石井ゼミでは「休耕地の増加」という地域の課題に対して、学生たちが実際に活動して解決のためのしくみを創出するだすことを目的に研究・活動していらっしゃるそうです。
その中で、生まれたのが5つのプロジェクトです。基本的には毎年学生さんが企画を考えてチームを組んで活動するそうですが、いくつかはすでに形になり始めてきているため、ここ2?3年で継続して行っているプロジェクトがあるそうです。
今回はその5チームの中から、畑を活用した健康づくりプログラムのAチームから佐藤さん(4年)、酒米の栽培から日本酒づくりまでを行うEチームから吉村さん(4年)、藤部さん(3年)、下野さん(4年)、高橋さん(4年)の5人の皆さんを紹介します。(詳細については資料を参照して下さい)
ハッピを着ていたのはEチームの皆さん。実はこのハッピ、出来立てほやほやだったのです…!
Eチームの皆さん:
以前からチームのおそろいのものを作りたいという話はあったのですが、社会人基礎力育成グランプリやエコプロの準備で忙しくてなかなか進まず、結局今年の1月に完成しました。社会人基礎力育成グランプリに参加した時に、他の大学がおそろいのユニフォームを着ていて羨ましかったとのこと。
これからイベントなどで着るとのことですので、皆様どうぞお楽しみに!
ということで、そのハッピにひかれEチームのプロジェクトを中心にお話をお伺いしました。
ゼミの中でプロジェクト毎にチームが5つもあるということで、チーム内外の情報交換、情報共有はフェイスブックを通じて行われているそうです。
石井先生:活動報告からチームごとの畑の状況などの記録連絡、水田の水管理などに使っています。
藤部さん:フェイスブック上でやることなど事前に確認ができるので、実際のゼミの時間では、簡単に
打ち合わせを行ったらすぐに畑に行って活動をしています。
*やはり畑や田んぼに関わりたいという人が多いのでしょうか。
藤部さん:畑の活動をやってみたいと思って入る人の方が多いです。自分は、「問題解決の畑のしくみをつくる」
ということがかっこいいなと思って入りました。ゼロから考えて、何か作って、それがどういう影響を出す
のかというプロセスを考えて行動する。その結果、社会にどういう良い影響を生み出せるのか、
地域にどう返せるのかを考えることができるのがこのゼミでした。
「自分の力を試せるな」と2年生の時に思って入りました。
(ここで、先輩たちからは「すごい」「そんなこと考えていたのか」というお褒めの言葉が…!)
*ゼミの活動は3年生からと2年間という短い期間です。4年生のみなさんは心残りや引き継いでいきたいことはありますか?
高橋さん:もっといろんなところに広報をかけたかったです。
1年目は、完成した日本酒を特定の酒屋さんにしか卸していないので、もっといろんなところに
出荷して、「城西大学」を広めたいなと思っています。
吉村さん:私はもっとマスコミに取り上げてもらえるよう働きかけていきたかったです。
以前、読売新聞の学生記者をしていて、つい最近取り上げてもらえないかと埼玉支局の
知り合いの人に頼んでいて、いまプレスリリースを作っています。 けどもうすぐ私は卒業です…
皆さんやりたいことがまだまだ尽きず、卒業ぎりぎりまで活動していらっしゃるのが印象的でした。
Eチームの皆さんが初めて作ったオール埼玉ブランドの日本酒「醸彩滝不動」ですが、2012年5月頃に
294本発売、酒販店さんに卸してもらい、埼玉県内の居酒屋さん2店で提供してもらったそうです。
なんと7月には売り切れてしまったそうです!今回吉村さんに持ってきていただいたのは
ラスト1本に近いそうです。
*果たして今年、お酒の本数は増えるのでしょうか?
藤部さん:今年は昨年の収穫量の倍の量を収穫できたので、今年はもっと多く作ることができそうです。
稲の育苗から、田植え、育てて、収穫して、酒蔵に持っていって、精米して、仕込みをして、お酒を造って、
瓶詰めもラベリングも売るところまで行います。
農家さん、酒蔵さんに指導してもらいながら作っています。
高橋さん:田んぼの面積も少し増えたんですけど、フェイスブックを活用して水管理などを行ったおかげで
3等米から1等米になったこともあって、お酒にできるお米の量も増えました。
藤部さん:実際の農作業よりも、「しくみをつくる」ことが大変です。
僕らは個別の作業に注力するよりも全体をみてマネジメントしないといけないんです。
自分たちが体験することで、広い視点でアドバイスをすることが出来る、見通すことができるんです。
事業化できるところまでを自分たちでやらないと「休耕地」を借りてやっている意味がないと思うん
です。 「休耕地」を使って、この土地に合ったことをやらなくてはいけない、良いしくみを作って、
その土地の人、使いたいと思っている人に提案して、それがさらに地域活性化に繋がるように
していきたいと思います。
酒販店さんは先生からのご紹介ということですが、値付けもアドバイスをいただきながら、学生の皆さんで考えたそうです。
売り上げの利益は協力をいただいた酒造さんへの委託金として活動資金に回していくそうです。
石井先生:お酒のプロジェクトは2年前から始めて、だんだん形となってきました。
3年くらいになったら大体のしくみが出来てきたので、モデルケースとして地域の人に返すことも
考えなくてはいけない。
農家さんが休耕をしないで、農業ができるようにを作るのがあくまで目的であるんです。
今年の目標は600本!お酒の仕込みは、1日5回温度管理のために様子を見に行かなければならず、
なんと朝6時から夜中の3時まで交代で酒蔵さんに行って様子を見に行くんだそうです…!田んぼの管理もあるので、なかなか長期旅行にもいけないとか…
大変な分だけやりがいがあるんですね…!
*そんな大事なお酒の名前の由来をお伺いしました。
高橋さん:「醸彩」はシリーズ名です。 「滝不動」は酒米を栽培している水田のところに滝不動という
お不動さんがあり、その名前をいただこうということになりました。
もともと「醸彩」にしようと思ったんですけど、名前をもじっただけではちょっとありきたりだし、
地域性を持たせた方が良いということになり、「滝不動」になりました。
藤部さん:「醸彩」の文字は日本酒のお披露目イベントの時に、川越市在住の書道家矢部澄翔先生に
書いていただきました。
吉村さん:去年のイベントは学生の他に卒業された先輩や共催の新聞社さんと行ったのですが、
今年も何かやろうかなとは考えています。
現在Eチームは留学生の方を含めて9人で活動されているそうです。チームは毎年希望を取って、チーム編成を決めるそうです。
来年度入ってくる2年生との顔合わせも既に終わり、後は活動を待つばかり…と思いきや?
吉村さん:顔合わせの際に各チームの発表を行い、その日にうちに希望を出して決めます。
そのあとすぐに新グループで打合せを行い、2月から仕込みがあるよと伝えるグループも、
4月から活動を開始するグループもあります。
実際に藤部さんも去年、顔合わせが終わってすぐに、お酒の仕込みに参加していたそうです。
*そんな石井ゼミですが女子は少なめ、そもそも現代政策学部自体女の子が少ないということですが…
藤部さん:畑仕事というイメージが強くて敬遠されがちです。
*皆さんはどうして石井ゼミに入ろうとおもったんですか?
吉村さん:他のゼミは基本的には机上なので、外に出るゼミも少なく、そこが魅力だったり、
しくみを作りたいということで入ってくる人もいます。
実は僕、このゼミの所属じゃなくて金融論のゼミの所属で卒論も金融論で書いているんですが、
ここのプロジェクトがやりたくて参加しているんです。そんな学生も大歓迎です。
石井先生:今の1年生、来年の2年生で1人、もうこのゼミで活動をしたいという学生がいて、
すでに参加しています。 やりたい人はゼミ生じゃなくても歓迎です。
皆さん、大学に入る前からこのゼミやプロジェクトを知っていたのでしょうかと聞いてみたところ、皆さん知らなかったとのお答え。
皆さん:パンフレットにも載ってないので、知らなかった。
→先生から学部パンフには小さく載っているよ!とのご指摘が。
吉村さん:取り組みが一見すると農学部っぽくて、現代政策学部としては公務員などを押しているので、
高校生にはわかりづらいかも。 「休耕地」は埼玉県と同じくらいの面積がある大きな社会問題
であり、社会問題を解決するという点では一緒なんですけど、パンフレットに載せるのは難しいですね。
石井先生:活動しては有名になってきていると思いますが、学内外の宣伝は難しいですね。
ただ、最近はこれがやりたくて大学に入ってきたという学生もいます。
途中先生からの訂正が入りつつも(先生なかなかお厳しいですね…!)取材に答えてくださってありがとうございました!
日本酒の完成とっても楽しみですね!
今回は日本酒チームのお話がメインになってしまいましたが、
これから継続して他のチームのプロジェクトも取材させていただきたいと思います!!
その頃までにお酒の第2弾はできているのでしょうか…?!
次回もぜひ楽しみにしていてください!!