【芝浦工業大学】石垣島を元気にするプロジェクトの活動(2013/02/14) 環境活動レポート

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環境活動レポート

【芝浦工業大学】石垣島を元気にするプロジェクトの活動(2013/02/14)

田代さん、柳谷さん、大沢さん、田中さん 記者:高橋

今回はエココンで入賞を果たした芝浦工業大学/石垣島を元気にするプロジェクトのみなさんを取材してきました。

このプロジェクトでは有数のサンゴ生息地である石垣島のサンゴを守る活動をされています。

プロジェクトは大学側が現役学生に向けて企画している、「学生プロジェクト」のなかの一つだそうです。
学生プロジェクトとして認められるために学内の選考会を経なくてはならないそうで、メンバー募集の際にエントリーシートと面接が行われるなど、一般的なサークルとは一線を画しています。

現在は6人で活動されているそうで、石垣島の住民の方々との信頼関係を大切にするために、毎年厳しい枠組みを設けて熱意のあるメンバーを受け入れているそうです。

今回お話してくださったのは代表の大沢さん、田中さん、柳谷さん、一年生の田代さんです。
少ない人数で規模の大きな活動をされているせいか、インタビュー中はメンバーの皆さんの仲のよさがよく伝わってきて、笑い声の絶えない取材となりました。

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○まず、皆さんが「石垣島を元気にするプロジェクト」に参加しようと思った理由を教えてください。

田代さん
高校2年生の時に修学旅行先が沖縄だったんですが台風で海に入れず、綺麗な自然にあまり触れられませんでした。そんな中大学入学後にこのプロジェクトを見つけ、綺麗な自然と触れ合え尚且つ守れるということに縁を感じ、参加することを決めました。

柳谷さん
芝浦工大のオープンキャンパスに来たとき、ちょうど学生プロジェクトのプレゼンテーションをしていたんです。そこで学生プロジェクト自体に興味を持ち、そこから一番最初の授業で石垣のプロジェクトのプレゼンを先輩達がしていて、やってみたいと思って参加しました。

大沢さん
一年生の授業ガイダンスの時、TAの大学院の方とお話する機会があり、その時にせっかく大学なんだから勉強のことだけでなく、学内で目立つことをしたら良いよとアドバイスを頂きました。そして紹介してもらったのがこのプロジェクトだったんです。

田中さん
中学二年生のころ石垣島に行ったのですが、その時見た海やサンゴ礁がとても印象深かったんです。またもともと沖縄が好きで本島や周辺にも行っていて、石垣島のサンゴ礁や沖縄自体に思い入れがあったので参加しました。またプロジェクト費用もあるので割安で沖縄に行けるということも参加しようと思った理由の一つです。

--皆さん沖縄に対する想いであったり、「学生プロジェクト」という企画自体に惹かれて参加されている印象が強かったです。また沖縄に割安でいけるというのも大きな魅力の一つかもしれません。そして活動に参加された後は、石垣島の抱える問題に対し何とかしようという責任感を感じたとおっしゃっていました。

続いて、主な活動について伺いました。

○地産地消マップについて

このマップは、サンゴに甚大な被害を与えている「赤土流出」問題を解決するための仕組みづくりの一環として上の代の先輩が考えたものです。

観光客の方々に、このマップをもとに石垣島の農家や直売所を回ってもらい、そこで買った野菜等の食材を食堂に持ち込んでもらい、調理してもらうという仕組みになっています。
このことによって石垣島の中だけでお金が回り、農家さんの利益が向上することを図っています。
最終的に農家さんたちの営業意欲を高め、赤土流出の対策をしてもらうよう僕達がお願いすることを目的としています。

石垣島は日本で1、2位を争う貧しい農村地帯で、さらに赤土流出を防ぐ農地対策には高い費用がかかってしまいます。
そのため僕たちが営業意欲が高まる仕組みを作り、お金を使うことで農地対策をしてもらえるようにとこのマップを使っています。

マップに掲載されている農家さんたちは、団体の先輩が自分達の足で直接関係を築き、交渉していった結果になります。

農家さんたちの更新はまだ行っていないのですが、定期的にご挨拶に回り、現在の状況を説明しています。

農家の皆さんからは、埼玉の学生がわざわざ石垣島に来て、活動をしてくれるのはとてもありがたいことだし、自分達もがんばらないといけないなと言ってくださっているので、高評価をいただけていると思います。

○3月9日開催の「サンゴ不思議発見!」イベントについて
※下部の「電子ファイル版レポート」よりイベントポスターのPDFファイルをご覧いただけます!

このイベントは、地産地消マップの活動で地元の観光協会の方からご信頼頂き、石垣島のイベントである「サンゴウィーク」に企画を出してみないかとお声掛けいただいたことをきっかけに開催することになりました。

内容は第一部と第二部に分かれています。

第一部の「サンゴSHOW」では「ロゲイニング」というスポーツを参考にした、地図とコンパスを持って伊原間という地域の各地にあるポイントを回ってもらうイベントです。
ポイントにはクイズとアクティビティを行うポイントとに分かれています。

クイズでは「インヌカ」と呼ばれる、サンゴをくりぬいた井戸がポイントになっています。
クイズはブラックボックスの中身を触ったり少し覗いてあてるものや、石垣島の塩や紅茶を飲んであててもらうもの、その他嗅覚、聴覚を使うものを5つ用意しています。
あとはサンゴに関するクイズを3つ用意しています。

アクティビティは各ポイントの地形に合ったアクティビティを用意しています。
例えばビーチでは沢山の種類があるサンゴを分類するゲームだったり、石垣島特有の植物を探してもらうゲームだったりを用意しています。

第二部は「サンゴアート」を参加者の方に作ってもらう企画です。
サンゴアートとは、サンゴの上に布を被せ、染料をつけた布でその上をたたいていくとサンゴの模様が染め上がるというものです。
これで参加者の方に手ぬぐいを作ってもらいます。

企画の狙いは、参加した方にサンゴ礁の恩恵と、島の豊かな自然を再認識してもらうことと、赤土や温暖化によるサンゴ礁の白化といった、石垣島のサンゴ礁が抱えている現状を知ってもらうことです。

○現地にはどのくらいの頻度で行っているんですか?

まず、夏休みに入りたての9月頭に現地へ行きます。10日間の間に現地のお世話になっている方々にご挨拶をしていって、また海に潜り、実際に目で見てサンゴの様子を観察しています。
また今年度は11月に現地の高校生達とサンゴ不思議発見のプレイベントを行いました。
次は3月のイベントのために現地へ行く予定です。

○現地高校生たちとの活動について

11月のプレイベントもそうだったのですが、イベント本番では八重山商工高等学校の観光コースの学生さんたちと一緒にイベント運営をします。
観光コースの学生さんたちは定期的に島民向けの観光ツアーを行っていて、11月のイベントの際も自分達向けにバスガイドをしてくれたのですが、もうそれが本当のガイドさんのように上手だったんです。
そういった学生さんが多いので、今回のイベントでも各ポイントでガイドをしてもらうよう企画しています。

今回高校生と一緒に開催したことには理由があって、2年後3年後自分達がいなくなった後も、現地の高校生が主体となってイベントや活動を引き継いでいってもらいたいと思っているんです。
そこから島民に広まり、最終的には島民が自発的にサンゴ礁に関わる活動やイベントを行うようになったらいいなと思っています。
地産地消マップのシステムに関しても同じように考えています。

○普段現地にいない時の活動は?

授業のある期間は毎週月曜日に3時間ミーティングをしています。
これはきっちりと全員集まるようにしていて、現地調査やイベントの準備をしています。

○今後やっていきたいと考えているものはありますか?

まだ確定はしていませんが、今年は地産地消マップの改正と3月9日のイベントを二つの軸に考えています。
その合間にエコプロダクツのような自分達の活動を発表していける場を増やしていけたら良いなと考えています。
地産地消マップについては良いところを残しつつ、マップを作った理由や赤土問題を説明する部分を増やし、島民の心に残るようにしたいと思っています。
あとはサンゴに対する知識をもっと深めるために勉強会を始めています。

○最後に、高校生へ向けてメッセージをお願いします。

やるべきことはきっちりこなしつつ、でも楽しく活動できることがこのプロジェクトの一番の強みだと思っています。

あとはこのプロジェクトに入ると間違いなく、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力がつきます。
普通ではなかなか体験できない、社会人の方々と活動する経験をつむことができるので、成長できる場だと思います。

それぞれ個性をもった学生が一つのプロジェクトに一丸となって取り組んでいくことは高校生活で味わえない体験だと思います。
なので心機一転新しい何かをやってみようと思うのであれば、こういったプロジェクトに入って、いかにも大学生らしいことをやってみるのもおすすめです。

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1時間くらいお話していたのですが、本当に笑いの絶えないインタビューであっという間に時間が過ぎていました。

印象に残ったのは、二年生の田中さんが一時プロジェクトを辞めようと思っていたときのお話。そのことをメンバーに打ち明けた際、なんと全員から総批判を受けたそうです。説得の末、田中さんはプロジェクトに残り、今回のイベント企画の代表を担当されるまでになったそうです。
まさにメンバー同士の距離が近いからこそのお話だと感じました。

石垣島を元気にするプロジェクト/大沢さん、田中さん、柳谷さん、田代さん、どうもありがとうございました!!

フォトギャラリー

田代さん、柳谷さん、大沢さん、田中さん

田代さん、柳谷さん、大沢さん、田中さん

実物のサンゴ

実物のサンゴ

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